三人称単数のSはなぜつくの?理由は【客観性の強調】

英語 英語の基礎

中学校のとき、「動詞が三単現のときは『 s 』を付けましょう!」英語の時間に習いましたよね。その時は脳みそがどんどん吸収できる年齢だったので、全部暗記しちゃいました。
そもそも、「三単現ってなに?」と聞かれたらなかなか難しい問題です。
今回の記事英語の基本文法の一つ「三単現の『 s 』」について詳しく解説します。

三単現ってなんですか?

「三単現」とは三人称単数現在形という三つの言葉を合体させた言葉です。

「三人称」+「単数」+「現在」

日本語と英語の違い

まずは日本語と英語の違いからみていきましょう。

「ハイコンテクスト文化」と「ローコンテクスト文化」

ハイコンテクスト文化とは、コミュニケーションが価値観、感覚といったコンテクスト(文脈、背景)に大きく依存する文化のことです。

コンテクストには、話されている言葉や書かれている言葉そのものには含まれない、ボディランゲージや声のトーン、ときにはその人の地位や立場までも含まれます。
日本語はこのハイコンテクスト文化になります。
一方、英語はローコンテクスト文化。
コミュニケーションがほぼ言語を通じて行われます。
文法もわかりやすく、曖昧さがありません。
相手は言語で表現された内容だけを、文字通りに理解する傾向があります。

例えば日本語の場合、
「今日、一緒にご飯行こう」と言われて、
「今日は友達が家に来るんだ」と言ったら、会話が成立します。
誘った人は答えが「No」だと認識するのです。
こればハイコンテクスト文化の象徴的な会話です。しかし、英語の場合は通じません。

英語の場合は、まずYesかNoか、先に答えるのが大事になるのです。
英語はとにかく結果はどうなのか、YesなのかNoなのか、
それは本当に正しいのか、といった「客観性」を重視するのです。

わたし、あなた+三人称と世界の見方

英語は日本語と違って責任の所在を明確にする言語です。
主張を先に言い、物事を曖昧なままにしない(シロかクロかをハッキリさせる)、といった言語の性質があり、さらにそれはそのまま「国民性」にも反映されます。

I=わたし(一人称)
You=あなた(二人称)
わたしとあなた以外=三人称(第三者)

なんども言いますが、英語は責任の所在を明らかにしたい言語です。
例えば、誰かがグラスを割ったとします。
2人の子供がお互いが割ったんだ!と主張しているとします。
YOU&I
この時、
「僕はこれをしていたぞ!」
「あなた、こんな事やってたでしょ!」

という風に、1人称である「私(I)」がした事、言った事、2人称である「あなた(you)」がした事、言っている事、それらはいずれも信用には足りないのです。

しかし、第3者であるHeやShe、Theyの証言であれば、当事者でない分、「客観性」が強いので、信用度が高くなります。
三人称

客観性を強調するサインである「S」

「東京まで30分かかります。」
を英語にすると

It takes 30 minutes to go to Tokyo.


となります。
なぜ、「it」を主語にしている時もsが付くのでしょう。

東京まで30分かかるのは、誰にとっても同じ、つまり、「客観性がある」という事を表す為に、sを付けているわけです!
言語学においては、sまたはzが客観性を表すサイン、mが主観を表すサイン、とされています。
「does」は、sと書いていますが、読み方はz(ズ)ですよね。そのサインが、三単現のsで表されているのです。

三人称複数系の場合

三人称とは「I(わたし)」と「You(あなた)」以外の第三者のこと。そして、客観性を強調するために「S」とサインをする、と言うふうに考えます。

すると、
「同じ第三者なのに複数系は「S」がつかないの?」
と思うかもしれません。
客観性を強調するために「S」だとすると、「I(わたし)」と「You(あなた)」以外の第三者がまわりにたくさんいるイメージですね。
そうすると、その第三者一人一人が自分の意見に「S」とサインをするのです。その意見はそれぞれに少しずつ主張も違っているでしょう、違う人ですから。

すると複数の場合はまとめて「S」とサインをすることはできなくなります。ですから「単数」のときだけ客観性を強調するために「S」とサインをするのです。

三単現の「S」の使い方【疑問文、否定文の場合】

疑問文にするときは、文頭に「does」を付けます。

  • She likes potatoes.(彼女はジャガイモが好きです)
  • Does she likes potatoes ?(彼女はじゃがいもが好きなの?)

「does」は「do」に「 s 」が付いたものです。
ですから、「does」を見れば「三単現」だということがわかります。
そのため、「likes」に付けていた「 s 」は無くなります。
「一つの文章に一つの「S」というのがルールです」

次はは三単現の否定文です。
否定文の場合は、「doesn’t」を動詞の前に挿入するだけです!

  • She likes potatoes.(彼女はジャガイモが好きです)
  • She doesn’t like potatoes.(彼女はジャガイモが好きではありません)

疑問文と同じく、否定形になると「likes」に付けていた「 s 」は無くなります。

三単現の「S」のまとめ

  • 英語は言葉で全てを伝えるローコンテクスト言語
  • 英語は責任の所在やシロクロをはっきりさせる必要がある
  • 客観性を強調するためのサインの「S」
  • 一つの文に「S」一つだけつける

英語と日本語の言語の違いから始まり、Sについての解説をしてきました。
三単現の「S」は客観性のサインと言うふうに考えると、随分わかりやすくなります。

「I(わたし)」と「You(あなた)」とそれ以外の第三者と言うふうに英語では考えるんですね。

英語と日本語の違いと同じようにアメリカ人と日本人でも国民性に違いがありますよね。どの言語を使うか?によって、世界の認識の仕方が変わるという仮説があるそうです。
バイリンガルの友人二人ぐらいに聞いたところ、英語を話すときと日本語を話すときは少し性格が変わっている感じがあると話していました。
話す言語によって、人格が変わってくるのは間違いないのかもしれません。

確かに「I think」「I’ll」
と「私は」というのを前面に押し出す英語は、自分を強く出さないと何にも伝えることもできません。
知らず知らずに、日本語を話している時よりも強めの性格になっているのかもしれませんね。

言語を学ぶって奥が深いです。
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