【音声あり】英語のリエゾン(リンキング)と音の変化。ルールと発音方法

英語 英語の基礎

オンライン英会話講師のサクラ(@SAKURA_Eng)です。

日本人は「リスニングが苦手」と言われます。
実際講師として教える側の私もアメリカのドラマやハリウッド映画は難しいと感じます。

それはどうしてか?というと、英語にはリエゾン(リンキング)があるからなのです。
リエゾンのために、知っているはずの単語も知らない言葉のように聞こえてしまい、結果的に聞き逃してしまうのです。
実際TWitterでも、こんな声があがっています。

今回の記事は「リエゾンとはなんなのか?」
「リエゾンをマスターするにはどうすればいいのか?」を解説します。

英語のリエゾン(リンキングサウンド)とはなに?

実は英語圏ではリンキング(Linking)ということが多いのですが、日本では慣習的にフランス語表現を用いて「リエゾン」という表現を使います。
リエゾン(liaison)はフランス語で「連結」を意味する語です。

このように、二つの文字が連結することによって音が変化することをリエゾン(リンキング)といいます。
また音の変化には「リエゾン」以外にも「リダクション」「フラッピング」があります。
「リダクション」「フラッピング」についても合わせて解説します。

※こちらの記事では「リエゾン」という言葉に統一して解説をしていきます。

日本人がリスニングが苦手な理由はリエゾンにあり

日本人はリスニングが苦手だと言われています。

リスニングができない=発音ができてない→スピーキングができない

こういった悪循環になってしまうのです。
日本人の英語力の低さはデータでも証明されています。

国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」(本部・スイス)の2019年調査によると、英語を母語としない100カ国・地域のうち、日本人の英語力は、前年の49位より4つ順位を落として53位となり、4年連続で5段階中4番目となる「低い能力レベル」と認定されてしまいました。

1位 オランダ 20位 フィリピン
2位 スウェーデン 34位 インド
3位 ノルウェー 37位 韓国
4位 デンマーク 40位 中国
5位 シンガポール 53位 日本

出典:EFエデュケーション・ファースト 世界最大の英語能力指数ランキング

リエゾンを学ぶ→リスニング力がアップ

リエゾンをマスターすれば、リスニング力がアップします。
じゃあどうすればいいのか?といえば、自分でもリエゾンの発音できるようになること。
これが一番です。

リエゾン以外のことでも同じですが、「発音できない音は聞き取ることができません」
ですから、聞き取れるようになるまでリエゾンの音声をまねて、何度も口に出して練習をします。

リエゾンの練習にはまずはスピードよりも、「真似」をすることが重要となります。

リエゾンを学ぶ→スピーキング力がアップ

リエゾンをマスターすれば、スピーキング力もアップします。

なぜならリエゾンなしで、一つ一つの単語を発音しているスタイルが「JapaneseAccent(ジャパニーズアクセント)」と言われるからです。

「JapaneseAccent(ジャパニーズアクセント)」は滑らかさがなく、ネイティブにとっては非常に聞き取りにくいと言われています。

でも、この図のように「Thank you」は大体の日本人が「サンキュー」と発音できます。
「サンキュー」はリエゾンがきいた発音になっています。

自分で発音できるフレーズなので、ネイティブが言った「サンキュー」も聞き取れるし、自分でも発音することができます。

このようにリエゾンをマスターすると、ネイティブにも理解してもらえるスピーキングができるようになるのです。

リエゾンの主なパターン

リエゾンは日本語の「体育(たいいく)」を発音では「たいく」というように、発音しやすくするために使われてるものです。
リエゾンを使わないと、発音がしにくいのです。
リエゾンには大きく分けると三つのパターンがあります。

1.子音+子音の連結パターン
2.子音+母音の連結パターン
3.母音+母音の連結パターン

この後、それぞれのパターンについて例をあげています。
発音にはわかりやすくするために、カタカナ表記を入れています。

1.子音+子音の連結パターン

子音 + y- make_you
[méɪk_ jʊ]
「メイクユー→メイキュー」

get_you
[gét_jʊ]
「ゲットユー→ゲッドゥュー」
/-l/ + /l-/ feel_like
[fíːl_ lάɪk]
「フィールライク→フィーライク」
/-d/ + /t-/ need_to
[níːd_ toː]
「ニードトゥ→ニートゥ」
/-t/ + /k-/ that_clear
[ðæk ˈklɪə]
「ザットゥクリア→ザックリア」
/-d/ + /g-/ should_come
[ʃʊg ˈkʌm]
「シュドゥカム→シュ・ドゥカム」

2.子音+母音の連結パターン

/-n/ + 母音
(/a-//i-//ə-/)
in_and
[iːn_ άʊt]
「インエンド→イナンド」

Can_I
[k(ə)n_άɪ]
「キャンアイ→キャナイ」
/-m/ + 母音
(/a-//i-//ə-/)
I’m⎵already
[ɑɪm_ ɔːlrédi]
「アイムオールレディ→アイ・モルレディ」
/-s/ + 母音 Is⎵Alvin
[ɪz_ ælvɪn]
「イズアルビン→イザァルビン」
/-h/ + 母音 Such⎵a point
[ sˈʌtʃ;_ət]
「サッチアポイント→サッチャポイント」
/-l/ + 母音 goal is
[góʊl_ ɪz]
「ゴールイズ→ゴーリィズ」

母音+母音の連結パターン

母音+母音
(/a-//i-//ə-/)
very_old
[véri_ óʊld]
「ベリーオールド→ベリ・イオルド」


so_old
[sóʊ_óʊld]
「ソーオールド→ソ・ウォルド」

show_off
[ʃóʊ_ɔːf]
「ショウオフ→ショ・ウォフ』

母音+母音の連結パターン

母音+母音
(/a-//i-//ə-/)
very_old
[véri_ óʊld]
「ベリーオールド→ベリ・イオルド」


so_old
[sóʊ_óʊld]
「ソーオールド→ソ・ウォルド」

show_off
[ʃóʊ_ɔːf]
「ショウオフ→ショ・ウォフ』

リダクションについて

リダクションとはアメリカ英語における音声の脱落現象のことです。
リンキングによって音が脱落する場合以外に、単語単体の語末の発音が消音(脱落)されるケースがあります。

日本人がネイティブのスピーキングの聞き取りでよく間違えるものに「can」と「can’t」があります。
これは「can’t」の語末の「t」を発音しないリダクションがおこっているために、聞き取りにくいのです。

語末のtの脱落 I can’t go.
「can’t」の「t」が脱落して聞こえる。
語末のdの脱落 Good job.
「Good」の「d」が脱落して聞こえる。
語末のgの脱落 I’m walking in the park.
「walking」の「g」が脱落して聞こえる。
語頭のhの脱落 I saw him.
「him」の「h」が脱落して聞こえる。
toの脱落 I want to go.

going to→「ゴナ」,got to→「ゴッタ」,have to→「ハフタ」
youの脱落 What did you do.

When did you→「ディデゥア」

実はご紹介したリダクションはごく一部なので、まだまだリダクションは存在します。
ただ考え方としてはネイティブが「発音」しやすくするためにリダクションしているということを念頭においてください。

フラッピングについて

フラッピングとは英語の「t」の発音が、(ラ行の音)に変化する現象のことです。

tがラ行に変化/td>

water

【他の例】butter,little,not at all

リエゾンを学ぼう

実際に動画を見ながらリエゾンとはどんなものかを知ることができます。
ネイティブが話す英語はリエゾンが使われているのがほとんど。
生の英語を聞いて、文章を見て自分でも発音してみる。
リエゾンをマスターするための方法をご紹介しましょう。

動画を使って学ぶリエゾン

英語学習にはかかせないTED。
多くの英語学習者がTEDを利用しています。
TEDには、たくさんのスピーチがあり、自分の興味があるスピーチを通してリエゾンを学ぶことができます。

出典:TED

ビルゲイツのこちらのスピーチを見てみましょう。
「The next outbreak? We’re not ready(もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来たら?) 」
コロナウイルスの予言とも思えるこのスピーチ。
たったワンパラグラフでもリエゾンが使われていることが確認できます。

When I was a kid,the disaster we worried about most was a nuclear war.
That's why we had a barrel like this down in our basement,filled with cans of food and water.

リエゾンの解説

When I was a kid:
[when I]「フェンアイ→フェナイ」n+Iで「ナイ」の発音に変化している


the disaster we worried about most:
[worried about]「ウォリードゥアバウト→ウォーリダバウトゥ」d+aで「ダ」の音に変化している


was a nuclear war:
[was a]「ワズア→ワザァ」s+aで「ザァ」の音に変化している


That’s why we had a :
[had a]「ハドゥア→ハダァ」d+aで「ダァ」の音に変化している


barrel like this:
[barrel like]「バレルライク→バレライク」l+lの二つが重なって、一つになっている


down in our basement:
[down in our]「ダウンインアウア→ダウニナゥア」n+i n+oの隣り合う二つが重なり音が変化している


filled with cans of:
[cans of]「カンズオブ→カンゾォブ」s+oで「ゾォ」の音に変化している


food and water:
[food and water]「フードゥアンドゥウォーター→フードァンウォーター」d+aで音が重なり、d+wでdが欠落している。

英語のリエゾンをマスターするためのトレーニング

リエゾンは自己流でマスターできるものではありません。

ネイティブの発音を何度も聞き、自分で発音することを繰り返すことでようやく定着していくものです。

それでは効果的なリエゾンのトレーニングの方法をご紹介しましょう。
上で紹介したTEDのビルゲイツのスピーチを題材に説明します。

  • 1.短い文章をまずは自分で読んでみる
  • 2.ネイティブの発音を文章を目で追いながら聞き流す(アイシャドーイング)
  • 3.1つの文章ずつリエゾンを確認する
  • 4.シャドーイングをする
  • 5.リードアラウド

1.短い文章をまずは自分で読んでみる

まずは文章を自分流で読んでみます。
その発音が今の自分の「素」の状態の英語だと考えればいいでしょう。

When I was a kid,the disaster we worried about most was a nuclear war.
That's why we had a barrel like this down in our basement,filled with cans of food and water.

2.ネイティブの発音を文章を目で追いながら聞き流す

ネイティブの読む発音を聞き流します。
特にリエゾンになりそうな単語のつなぎ目に注意しながら聞き流しましょう。

4.シャドーイングをする

ネイティブの発音に合わせてシャドーイングをします。
シャドーイングとは英語を聞きながら、数秒遅れて追いかけるように発音することです。

影(シャドウ)のように追いかけることから「シャドウイング」という名前がついています。

同時通訳の訓練法で、リスニングとスピーキングを同時に鍛えるトレーニング方法です。

5.リードアラウド

リエゾンの部分に注意をして、自分で文章を読んでみます。
スピードが落ちてもいいので、リエゾンをしっかり意識して何度も読みましょう。

うまく行かない場合は、何度も繰り返します。
これを繰り返すことで、他のセンテンスでリエゾンがでてきたときにも発音できるようになっていきます。

リエゾンのトレーニングにはオンライン英会話がおすすめ

オンライン英会話でもリエゾンのトレーニングをすることができます。

ネイティブキャンプ

ネイティブキャンプの「発音コース」では、しっかりとリエゾンについて学ぶことができます。

1.文章をまずは自分で読む
2.ネイティブの発音を文章を目で追いながら聞き流す(アイシャドーイング)
3.1つの文章ずつリエゾンを確認する
4.シャドーイングをする
5.リードアラウド

この流れにそったレッスンを受けることができるので、リエゾンの定着が早そうです。
私も実際体験してみましたが、一つの文章でちょうど25分かかって「リードアラウド」まで終了しました。

講師もしっかりリエゾンについて理解しているので、うまく行かない時には発音のコツを教えてもらうことができます。
>>ズバリどっち? DMM英会話とネイティブキャンプ

リエゾンをマスターすれば、英語力が総合的にアップする

英語の中級者、上級者にはおさえてほしいリエゾン。
記事で紹介したTEDのスピーチでも、ほんの数秒のセンテンスにたくさんのリエゾンが使われていました。

最初にお話したように、リエゾンをマスターすることで、リスニング力もスピーキング力もアップします。

現在講師をしている私が毎日やっている学習はシャドウイングと音読です。
発音の学習は実はとても大切で、まだまだ道は続きそうです。

英語を学ぶなら避けては通れない発音とリエゾン。
ぜひトレーニングをして英語力をアップしましょう。
>>【どっちがいいの?】イギリス英語とアメリカ英語の違いを比較する。