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【英語の冠詞】もう迷わない!イメージとフレーズで理解する

英語学習

「冠詞」は難しい・・・
それは日本人にとっては間違いのない事実です。
日本語にはない概念の「冠詞」を理解し、使いこなす事はハードルの高いことだからです。
中学英語で習った『「a」は数えられるものに使い、二回目に出てきたら「the」をつける』というやり方で全てが片付くはずもなく、
理解できずに嫌になってしまったり、
英語学習自体をやめてしまう人もいます。

「冠詞」は何年も学習を続けている私にとっても、まだ難しく間違うこともしばしばあります。
でも、これまでの失敗で学んだことを英会話に生かし、しっかりと使える場面も増えました。

そこでこの記事では「冠詞」のルールについてをわかりやすくまとめ、
実際のフレーズをご紹介します。

↓音声の動画はこちらです!

「冠詞」ってなんなの?

「冠詞」とは名詞の前につく限定詞の一種です。不定冠詞「a/an」、定冠詞「the」、何もつかない無冠詞の三つで構成されています。

不定冠詞「a/an」の使い方とルール

基本的に不定冠詞「a/an」は初めて出てきた単数の名詞につきます。

No.01 「丸ごと感」を表す場合

I had cheesecake.
チーズケーキを食べた。

I had a cheesecake.
チーズケーキを丸ごと食べた。

「a/an」には「ひとつの」という意味があるために、「a cheesecake.」といえば、まるごとのホールケーキがイメージされてしまいます。
逆に冠詞がつかないと食べ物としての「チーズケーキ」の意味になります。

No.02 「輪郭をもつもの」を表す場合

Bring me paper.
紙を持ってきて。

Bring me a paper.
新聞を持ってきて。

「a paper.」と冠詞がつくことによって、形のあるものとしての「新聞一部」という意味になります。
「paper」と無冠詞の状態になると「紙」という意味になり、たいていの場合は「Bring me paper to draw」のように、
後ろに説明のための文が入ります。

No.03 「特別」を表す場合

I had dinner at the hotel.
ホテルで夕食をとりました。

I had a dinner at the hotel.
ホテルで夕食会に参加しました。

普通「夕食をとる」と英語で言うならば、「I have dinner」で無冠詞です。
では「a dinner」となる場合はというと、「特別な夕食会」という意味になります。

No.04 多くの中のひとつを表す場合

She has grey hair.
彼女は髪が白髪です。

You have a grey hair.
白髪が一本あります。

集合名詞の「hair」に不定冠詞「a」がつくと、「多くの中の一本」を表します。

No.05 「a」の位置と形容詞に注意する場合

I have a black and white cat.
白黒の猫を飼ってます。

I have a black and a white cat.
白と黒の猫を一匹ずつ飼ってます。

「a」の後ろに続く形容詞が「and」を挟んで名詞を形容しています。
その後にさらに「a」が入るかどうかで意味が違うものになることに注意しましょう。

No.06 会社名に「a」が入ることで「製品」を表す場合

This is IKEA.
これがイケアです。

This is an IKEA.
これはイケア製品です。

会社名に「a」をつけることで製品を表すことができます。
無冠詞の場合は会社名、地名などになります。
人の名前の場合は基本的に、「Mr」や「Ms」などが入るのが普通です。

定冠詞「the」の使い方とルール

具体的にイメージされるものがある場合は名詞に定冠詞「the」がつきます。

No.01 「特定しているもの」を表す場合

I’ll go to a store to buy milk.
ミルクを買いに行きます。

I’ll go to the store to buy milk.
ミルクを買いにその店に行きます。

「a store」の場合には、どこでもいいけどミルクが売っている店になります。
対して、「the store」の場合には話している人が既に行く店を決めていて、頭にその店をイメージしているのです。

No.02 「世界にひとつのもの」を表す場合

The sun rises in East.
太陽はイーストという場所から昇ります。

The sun rises in the east.
太陽は東から昇ります。

たった一つしか存在しないものには「the」がつくというルールです。
the sun(太陽) the moon(月)なども同様です。

No.03 「〜で一番」を表す場合

I’m happiest in my life.
私にとっては今までで一番幸せだ。

I’m the happiest in the group.
私はそのグループで一番幸せだ。

theがつかない無冠詞での最上級は「自分の中での一番」と自分に対しての比較となります。
対して、theがつく最上級の場合は他者との比較になります。

No.04 「集合名詞」を表す場合

Rich is not always happy.
リッチさんは必ずしも幸せではない。

The rich are not always happy.
金持ちが必ずしも幸せではない。

形容詞に「the」がつくことで集合名詞を表します。
対して、形容詞が主語になることはないので、無冠詞の「Rich」は「Rich」という人というふうに聞こえます。

No.04 「時間」を表す場合

Do you have time?
時間ありますか?

Do you have the time?
今、何時ですか?

「the time」である一定の時間を表します。
「Do you have the time?」は時間を聞くときの日常的な表現です。
対して、無冠詞の「time」は概念としての時間になります。

無冠詞の使い方とルール

無冠詞になったときの意味の変化について確認をしましょう。

No.01 「手段」を表す場合

He goes to work by bus.
彼はバスで通勤しています。

He goes to work by the bus.
彼はバスの近くの職場へ行きます。

無冠詞にしたときの「 by bus」は乗り物としてのバスを意味します。
対して「by the bus」で、意味が変わり、バスの近くの職場になります。

No.02 固有名詞の場合

He is Picasso.
彼がピカソですよ。

You’re a Picasso.
あなたはピカソみたいですね。

固有名詞に「a」がつくと普通名詞になり、〜のような人という意味になります。

No.03 officeやschoolなどの場合

She left office.
彼女は退職した。

She left the office.
彼女はオフィスを出ました。

She went to school.
彼女は登校した。

She went to the school.
彼女は校舎へ行った。

officeには「仕事」を意味する場合と「会社という場所」を意味する場合があります。
同じようにschoolも「学校」と意味する場合と「校舎という場所」を意味する場合があり、定冠詞によってそれがわかるようになっています。

No.04 全体をとらえる場合

I don’t like coffee.
私はコーヒーが好きではありません。

I don’t like the coffee.
私はそのコーヒーの銘柄が好きではありません。

物質名詞のcoffeeは無冠詞の場合は、コーヒーそのものを表し、theがつくことで特定されたそのコーヒーというものに変化します。

まとめ

代表的な冠詞のルールをまとめました。
概念だけわかっていても、実際の会話でスムーズにでてくることはありません。
やはり学習と実践の繰り返しをすることが一番です。
Youtubeでフレーズや発音をしてみること、そして概念を学ぶこと、両方を続ければ少しずつ冠詞の使い方が身につきます。
少しずつではありますが、必ず英会話の上達に役立ちますよ。